プリント基板を使って 全段差動の真空管アンプを作ってみよう   by hanayuu 2007.09〜

 

7.8 新潟の大森さんの6BM8   2011.01 New!

7.7 島田さんの14GW8   2010.09

7.6 神奈川の江頭さん    2010.08完成です。

7.5 東京の長嶋様のおたより  2010.03

7.4「大山さん の 8B8」 2010.02

14GW8は6BM8用の基板でも動作するのか? 2010.02

電源コンデンサwo追加した効果は  2010.01

「戸田さん」の製作例  2009.09

製作された方からの製作例を追加しました 2008.04

 

これは6BM8を使った、「差動プッシュプルアンプのキット」でも使っている 「プリント基板」 を使って、こんなふうにアンプが作れるという、紹介です。

「こうすれば、簡単にできるじゃないか」がテーマです。 

   作ってみて

「思ったよりも簡単にできた」、「特性」「音質」はいつもと変わらない・・・・安定しているってことです。

いいことばかりではありません。 失敗もありました。 あわせてご覧ください

 

簡単な工具と工作でさっと作る

ビギナーの方を・・・・にしました。 これで、アンプ理論、製作方法を理解しろという学習ものではなく、見よう見まねで、こうすればできるので作ってごらん、作って動いたら、どうして動くのか、考えてみよう。  という、ページです。

設計はできるが、配線がめんどうという方もごらんください。

3分クッキングではありませんが、「身の回りにある(入手方法が容易)」「旬の(現行品を使いビンテージは×)」「安い(いうまでもなく)」材料を使い、「手間をかけずに作る」、「おいしい料理(いい音のする)」でいきましょう。

  

できあがった、アンプ。 まだ、天板は付けていない、隣に置いておかないといつまでも付けない、重い腰があがるのを待っている。

大きさは下の写真のCDコンぽ(オンキョーCR−185 幅185m)より、ちょっと大きい程度にできました。

 

ふと 思った  重ねられるから「マルチアンプ」には最適か?

 

 

■ 目次

1.構想

2.回路はこんなのです

3.製作

4.特性

5.リンク

6.考察

7.製作された方の製作例

 


 

■1.構想

簡単に作れて音が良いという点で真空管は「6BM8系」ということにしました。 ヒータートランスは別に積みますので、ヒーター電圧の異なる姉妹球の8B8,16A8にもヒータートランスを変えれば対応できます。

6BM8は、1本のガラス球の中に、電圧増幅用の3極管と電力増幅用の5極管が入った物です。 これを4本使って、ステレオのプッシュプルアンプを作ります。

6BM8の電力増幅部は5極管ですが、これを3極管結合(3結とよびます)にして、3極管として扱います。 これでA級プッシュプルにしますと出力は2〜3W程度となります。

今回は、電源トランスの値段と入手性で東栄製を使いました。 このため出力は2W程度になってます。 もっと余裕のあるトランスを使えば3Wは取れます。

出力トランスは 「安価なわりに使える」東栄の物を使いましたが、春日の物にも交換してみましたので、「春日編」をご覧ください。

 

基本仕様

回路図はキットと同じです。キットに比べて電源トランスが小さいので、出力は小さめになってます。

名称  全段差動式プッシュプル・ステレオアンプ

使用球 6BM8 (8B8,16A8も一応可能)

出力 2W×2

入力 1ch 入力VR付き(10KΩ)

電源 AC100V

 

外観

電気的なお約束が決まると、次に大事なのは外観でしょう。

球のアンプの楽しみは、音質の次に外観といってもいいです。

ここでは、基板を使うという前提として

トランス、基板が一本とした、細長いもの (基板は縦、寝かして低くする)

トランス、基板を並べたもの  

などと考えられます

★<2種類の構想>

手持ちの材料と好みから、木のシャーシで作ります。

基板を使ったメリットとして、高さが稼げる、小さくなることも活かしたいです。

選んだのは、これ

 

<写真>

トランス、基板をびっちりと詰め込んで、小型化を計ります。

大きさは W210+2t、H100+t、D310+2t

前面には「電源SW」「入力VR」

後ろパネルに「入力端子」「スピーカー端子」「ACケーブル」

にします

注意・・・土台の板は、後日になってソリがでるとやなので、ここだけは合板をつかいます。

 

 

ところが、ここで気が変わり

 

真空管を立てた物、横にした物と書いてみて。 部品を付けてみて、1日悩んで、横型にしました。

縦型は

◎ 巾が若干小さくなります。 デメリットとして、天板に通風孔を開けると「ほこり」「ごみ」が基板に積もります。

横型は

巾は1cmほど少し広がりますが、そのぶん高さが1cm低くなります。

大きな決め手は 底と天に通風孔を開ければ、放熱がスムーズになります。 しかも「積み重ね」ができる。 同じアンプなら、積み重ねができる。 マルチアンプにはとても有利になります。

「ほこり」は縦型よりはマシ程度です。

 組図 クリックで大きいよ

基板の立て固定が 下はLアングルでできますが、上はできませんので、片持ちとなりますが、1号機アンプも片持ちでしたが「バス旅行」にも耐え、現在に到ってますから、これは各自の責任でということで進めてみます。

 

 

■■ 2.実際の回路の検討

回路図は「組立説明書____」からダウンロードして、検討しましょう。

 

1.出力段

球は6BM8系です。 VP−I特性図に8KΩ/2のロードラインを曳きます。 プレート損失が7Wを越えない程度にしますと、こんな感じになります。

 

 松下製のNOS品の実測特性表です。

 

 

 

 

 

 

 

この動作点は最大とみていいです、これよりも小さくても差し支え有りません。 電源トランスの電圧に合わせましょう。

今回は、入手性、価格から東栄(tel 03-3255-6589)のZT−03Sを使います。 1次100V/110V、2次200/220V、30VAです。

AC200V150mAですので、ブリッジでDCにして200V×1.2=240V、150mA/1.4=106mAまでで押さえましょう。

整流後のリプルフィルタの抵抗で約10V下げて、約230V〜220Vと見込みます。電流は25mAで出力は約2.5Wと予測できます。

このときのグリッド入力電圧は 約36Vppが必要になりますです。

 

次にヒーターです。先のトランスには、ヒーター巻き線は無いので、別のヒータートランス6.3V/3AのJ633を使います。

8B8,16A8の方は16Vの物を用意してください。

今回は東栄の物を使いましたが、他のものでもかまいません。

注意 50BM8 を使うと、ヒーター巻き線がいらなくなります。 でも、この6.3Vから、バイアスと初段の電源を作っているので、50BM8にしても6.3V/20mA程度の別電源は用意してください。

 

さて 出力段の動作点が決まりましたら、バイアスを見ましょう。

差動回路の定電流源は25mA×2=50mA流します。 トランジスタを使っても良いのですが、基板に用意されている、簡単で手間いらずのLM317を使いましょう。 西濃はトランジスタに比べてもLM317の方が安定しています。 

電流値は ADJ端子間の1.2Vと抵抗値で決まります。 R11=1.2V/50mA = 24Ω です。 

注意点はLM317自体の損失が 20V×50mA=1W となりますので、けっこう熱くなりますため、小型の放熱器をつけます。

 

DCバランスは、2本の球の流れる電流をほぼ同じくらいになるようにします。 

カソードに繋いであるR8,R7のカソード側の電位が同じくらいになるようにVR2を回します。 抵抗値を5.1Ωにしてありますので、1mV≒0.2mAで検知できます。 

この電流差が大きいと、「出力トランスにアンバランスな直流電流が流れ、コアが飽和して低域の特性が劣化する」と、いうことですが、今回のトランスはアンバランスに強いので、あまり気にしなくてもよさそうです。  

気になる方は、わざとアンバランスにして、その音を聞いてみることをお勧めします。

VR2でバランスが取りきれない場合は、球を入れ替えてください。

 

出力トランスは、キットと同じ東栄のOPT−10P(8KΩ)を使いましたが、こだわることはありません。 他のメーカーでも優れた物があります。 

 

入力段です。

出力段が36Vppを必要としてますので、 検証してみましょう 

B電圧が220Vで ざっと、100KΩのロードラインを曳いてみます。 1mA、130Vを中心で 3V入力で160−40V=120Vほど振れるのが判ります。

約40倍の増幅率です。 差動ですのでこの半分になります。 そして実際には 負荷には 次段のグリッド抵抗が並列に入りますので 82KΩ程度になるため、もう少し小さくなります。

このあたりの電流値と抵抗値で、微妙に音質に関わってきますので、ここも、お楽しみの一つです。

定電流源は、安易に CRD にしました。石塚電子のE202(2mA)です。 性能は申し分ないのですが、規定電流の偏差があるので、気になる方は選別してするか、 他には電流値をアジャストできないのうらみがあります。

基盤上にはFET(2SK30Aを想定)を使った、定電流回路のパターンもつけておきました。
この定電流の電源は、ヒーター電源を半端整流した後に 定電圧IC=7905で −8Vから−5Vを作ってます。 これは出力段のバイアス調整電圧と兼用にしてます。  7905の代わりに抵抗1本で平滑してもいけます。

 

B電源は 基板内の整流回路を使います。 入力AC電圧を200Vとみて、ダイオードは400V、1A以上を使い、整流後 最大DC280Vが出ますので、電解コンデンサは350V耐圧品を使います。 図面、基盤上では100μを4本も使ってますが、ケースバイケースでやってください。差動アンプはリップルにとても強いです。 これ以上大きくしても、効果はありません。

【電源コンデンサの追加は 】
電源ハムに関しては、上記のコンデンサ容量でもOKです。
ネットで「容量の大きなコンデンサにしたら、低音の出方が良くなった」との意見もあり、220μ×2個を追加しました。
たしかに、良くなります。 かなり 改善されます。 是非 追加してください。 (2011.01)

【発振防止】
初段のプレートに5pFを入れてますが、これは発振防止用です。 絶対に入れた方がいいです。 

それと、入力のVRですが、小さい方が発振しにくいです。 VRの回転端では起こりませんが、その間で発振しやすいです。 原因は私には分かりませんが、VRを10KΩにすることと、上記のコンデンサを入れて発振を防止しています。

 

■■■ 3.実際の製作

さあ 製作に移りましょう。

 

回路図はキットと同じです。 基板の入手は「プリント基板販売のご案内」へどうぞ。

材料

3−a) .ケース類 底板、308×210×t9

前板   ラワン合板、100×210×t9

後ろ板  ラワン合板、100×210×t9

側板   ラワン合板

天板   メタルパンチング 無くても良い

角材   1cm×1cm 長さ 31cm

★<板の写真>

 

3−b) .トランス類

電源トランス  東栄 ZT−03

ヒータートランス 東栄 J633(6.3V3A)

出力トランス  東栄 OPT−10P(8KΩ) もしくは 春日 KA−8−54P

3−c). プリント基板とそれに載せる部品

3−d). 電源回路部品

ACコード

ブッシュ(省略)

電源スイッチ

ヒューズホルダーとヒューズ

3−e).入力回路部品

RCA端子

10KΩAカーブ2連ボリウムとツマミ

スピーカー端子

3−f). 補剤

ゴム足

電線

トランス固定ネジ

基板固定カラーとネジ

ケース組立用ネジ

 

 なんでもそうだが、ガイドを付けるとまっすぐ切れる。

 

 

 

 

 

 「はんだごて」 赤いのが10W、青が30W

 基板の半田付けは「赤」を使います。

 トランス、端子などの場合は「青」でさっとやります。
 「赤」のような、熱量のちいさいのでやると、かえって部品を傷めます。

 

 

 

どちらかというと「木工工作」です。

3)。工作順序

1.材料と寸法合わせ

2.基板組立

3.電源配線

4.出力配線

5.基板への配線

6.動作チェック

7.側板、天板の取り付け でおしまい

8.特性表

9.お役立ちリンク

10.考察

 

3−1 .材料と寸法合わせ

底板に部品を全て載せて、置く場所を決めます

その場所と、固定穴を鉛筆等でなぞります。

固定穴にはキリで下穴を開けておきましょう。 工作中に消えないし、ネジ止めも楽です。

前板、底板、側板も同様にします。

前板に電源スイッチ、表示灯、RCA入力端子、VRの取り付け穴を開け、部品を固定します。

後ろ板にACコード穴、スピーカー端子穴を開け、部品を固定します。

底板にはゴム足を4こつけます。

  

 

3−2. 基板組立 は「hanayuu_amp組立説明書」を参考にしてください。

 

3−3. 電源配線

底板に前板、後ろ板、側板をつけます

3−3.1

トランスを付けると重くなるので、入力の配線は先にしておきましょう

 

ACコードを通し、ヒューズ、電源スイッチと配線します。

電源トランス、ヒータートランスを取り付けます。

表示灯の配線をします。

電源の通電チェックをします、トランスの2次側に AC200V、AC6.3Vは出てますか?

店長のところでは AC100Vが105Vと高めです、 2次側で210Vと7.3Vでした。

 

★<テスターでトランスの2次側を計る>

 

3−4. 出力配線

出力トランスを取り付けます。

出力トランスからスピーカー端子まで配線します。 

 

3−5. 基板への配線

基板までの 信号線、電源線と配線します。

a.電源トランスAC200V、2本

b.ヒータートランス、AC6.3V、2本

c.出力トランスP1,P2,+B、3本×2ch

d.入力信号(シールド線)、2本

e.フィードバック信号線、2本

★<基板への配線>

 

3−6. 基板をカラーを介してLアングル、底板に取り付けます。

<Lアングルへカラーを介して基板を付ける>

 

3−7.動作チェック

1.真空管を付けないで、電源を入れ、プレート電圧が DC280V、ヒーターにAC6.3V来ていることを確認します。

2.電源を切り、数分おいて、電解コンデンサの高圧が無くなってから、片チャンネルだけ真空管を差して電源を入れます。  じわじわとヒーターが赤くなり、30秒後くらいに電源電圧がDC260V位になりますね。 これで、半分はOKです。 続いて

3.電源を切り、全ての真空管を差してから電源を入れ、電源電圧がDC230V位になります。

4.音源、スピーカーを繋ぎ、電源を入れると、30秒くらいで音が出ますよね

5.DCバランスを取りましょう。

 

3−7.1 余裕があれば、各部の電圧をメモしましょう

1)AC入力電圧 、 トランスの1次側、 規定はAC107〜95V

2)AC出力電圧 、 基板のA1−A2、 AC180〜190V

3)ヒーター電圧 、 基板の A3−A4 、AC6〜6.3V

4)初段プレート電圧、 真空管9番ピン、 DC100−140V 

5)初段カソード電圧、 真空管8番ピン 、DC 1〜2V (訂正しました)

6)DC電源電圧 、 R22 、DC210V〜220V

7)出力段プレート電圧、 真空管6番ピン 、 DC220V位

8)出力段カソード電圧、 真空管2番ピン 、DC 16〜20V程度 (訂正しました)

9)出力段カソード電流、 R7,R8,R37,R38の両端、 約139〜150mV(27〜29.5mA×5.1Ω) (訂正しました)

 

3−8. 側板、天板の取り付けをします。 以上で組立は完了しました。

お疲れさまでした。 この後は、たっぷりと良質のサウンドをお楽しみください。

<完成品の写真>

 

 

4.特性表

   

 入力vs出力です。

 入力1Vで出力2Wちょっとです。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 1W出力の特性です。

 37KHzの山はこの東栄のトランスの特性です 

 

 

 

 

 

 

 歪率です。 2Wで約4%、それ以上は鰻登りです。

 右chの歪率がえらくいいのですが、これは球の組み合わせで決まります。

 

 

 

 

 

 

 

4)DF  2.5〜2.6 (ON/OFF方法)

5)残留ノイズ  左:0.58mV、 右:0.53mV

6)参考に 歪5%時の波形です。

 

付録 『春日編』  (型式 KA−8−54P)の可愛いトランス。

トランスの交換は小一時間ほどで、あっけないほど簡単にできます。

このトランスは、写真でも判りますが、東栄より一回り小さく、軽いです。シールドケースに入ってます。

扱いは楽ですね。 特にむき出しで使うにはいいです。

価格は東栄とほぼ同じくらいですし、地方発送もしてくれます。

 

 

      失敗. 巻き線の極性が違うよ

測定してみると やけにゲインが高い? 東栄が14dbなのに20dbある。

オシロで見ますと、入力と出力が逆相になってます。 東栄とは巻き線の極性が違ってます。

1次側の配線を入れ替えて解決です。

アンプのゲインが低いのと、NFBも少ないのが幸いして(?)盛大な発振は有りませんでした。

交換したときの特性図です

 

歪が5%時の時の波形 そんなに悪くないでしょう?

 

 

5.お役立ちリンク

hanayuu_amp 組立説明書 : キットの組立説明書です。 基板の組立方法、パーツリスト、回路図、調整方法を参考にしてください

プリント基板販売のご案内 : ここで扱いました、「プリント基板」の販売案内です

 

 

6.考察

今回は 6BM8を採用して正解だったと自負しています。

1.音質が良い

音がとても素直にはずみます。 音の分解能がいいというのでしょうか、細かい音まで聞き取れます。 この音はビーム管、5極管ではでません。 

2.動作が安定している

3.球の供給が多い/特殊な物では無いので、生涯使えます。

球の供給の間口を拡げるために「6BM8」にしました。 真空管は時代遅れで、入手は中古、NOSに限られてきますが、この球はまだ生産されていて新品が入手できますし、世界中で生産されましたのでいろいろなメーカーの良品中古も選べます。 
それと、姉妹球の存在があります。 ヒーター電圧さえ変えれば8B8,16A8が使える、しかも、安価に入手できることです。
このように、まだ市場に出回っていて、気軽に選べるというのは、一段と楽しみができるわけです。

まだ、経験はありませんが、「6GW8」類も、ソケットピンをジャンパーすれば、使えると思われます。 これは新品でも安いですよ。

 

★★★ 反省点

1.基板の取り付けを逆にすれば良かった。

 DCバイアスの調整時に測定点が真空管と底板の間になり、手が入れにくい。 

ごらんください、クリップを取り付ける苦労。 調整点が上になるように、180度基板の取り付けを変えればよかった。

もっとも、一度調整すれば、当分はやらないので、このまま使います。

 

2.ケースで合板は美しくない

木造ケースにして、天板を簡単に考えていたが、通気孔のパンチングメタルの加工がやっかい。

前パネルは合板にしたが、「美しくない」 もっと「綺麗な木目」の板にすればよかった。と思います。

この部分は「ちょっとスモークなアクリル」が似合うのではないか? 

 

 

 

音の良いアンプを手に入れる方法

モノは「完成品を買ってくる」か「自分で作る」しかないです。

完成品はお金であがなえます。 お金さえ有ればいとも簡単です。 でも、これは自分の気に入った音の良いアンプを探し出した場合の話し

実際は、本当に気に入ったではなく、「風評」「宣伝」「懐具合」「平和な家庭の調和」で決めていませんか?

この妥協が続いて、今でも「音のいいアンプ」を探しているのです、今後もです。

 

「自分で作る」も同じです、違うのは「自分で工作する」ので「自分で音を変更できる」ことです。

今回は半分キットみたいなものですけど、「工作する」は同じです。 ベースが決まっている以上、創作できる内容には限界がありますが

それに気が付けばいいのです。 そこから先に、自分がやりたいことが判ればいいのです。 そして、こうやって作ってきたのだから、今度はどうすればいいのかは判ります。

やってごらん  あのコンデンサがいいとか、この電線でないと、とか、いろいろ言われます。 また、それが「これでないといけない」という

断定的なセリフできます。 数字で出ないのがオーディオのたのしみです。

 そんなことを考え出すと、疑心暗鬼になってきませんか。

やってみましょうよ。 ほんとうにそれが言われるほど「御利益」があるものか 

 

これは、スピーカーでも同じですね

 

簡単に作るには 「キット」がいいです。 真空管アンプでも、作りやすいキットが販売されてます。 

シングルアンプなら、部品も、配線も少なく、作るのも簡単です。

でも、ここでは「プッシュプル」にします。 基板を使えば、部品は倍いりますが、買ってくるときに2本から4本になるだけです。 配線は基板なら

なんらかわることありません。 それで できあがった時の 音はシングルアンプでは出ないものがあります。

 これまでに製作した差動アンプ 3景。

 左の「あの夏の1号機」 を元に、その右の「キット」(これは完成品)

 手前が、今回の 「PCBでアンプを作ろう器」

 サイズは 縦になっても横でも対して変わりません。

 


7..製作された方の製作例 です

当店の基板を使って製作された方よりいただきました「製作例」のメールです。 そのままに近い状態でペーストしました。

今後の製作を目指す方々のための道しるべとなれば幸です。

7.7 島田さん     2010.09

14GW8を使われています。 ひっくり返すと6BM8で使うためのに基板に4個、14GW8用に延長ソケットがシャーシに付けてあります。

音はいたって”元気” とのことです。 

               内容を読む

 

7.6 神奈川の江頭さん    2010.08完成です。

アンプの下が 自作品でアルテック403を使われてます、電源コンデンサ増量、6BM8はAWA選別品です。  

                 内容を読む

 

7.5 東京の長嶋様のおたより  2010.03

> 稼働から1週間ほど経ち、低音も良く出るようになりました。
> 音離れが良く、とても心地よい音を聞かせてくれます。
> もちろん、ハム音はスピーカーに耳を当てても聞こえません。
> すでにメイン機としてリビングで使用しています。
>
> 300×200×40とコンパクト&薄型なシャーシに組み込みました。
> ケース幅と基板が一緒なのでシャーシの左右にスリット状の
> 角穴を開け、サイドウッドで隠しています。
> 電源・平滑回路は基板ではなく、コンデンサーのラグ板に
> 直接配線しています。
> また、入力ボリュームは前段にアッテネーターがあるので
> 思い切って省略しました。

> 長嶋さま
> 完成おめでとうございます。
> 音も気に入っていただけたようで、「うれしいなあ」と思います。
> 私の所でも メイン機になっていて、電源コンデンサを追加してからは、これ以
> 上何がいるんだという想いです。 最近は フォスターのFE103バスレフも馴ら
> しが終わり、快調に鳴らしています。
>
> サイドウッドですが 材質は一見して「カリン」かと思いましたが、そう たや
> すく手にはいるわけが無いので、・・・  何でしょうか?
>

(お返事)
また、サイドウッドですがこれはパドックというものになります。
黒檀や紫檀ほど重くはないですが、それなりに重さはあります。
東急ハンズにちょうどW200×H60×t10にカットされたものが
ありましたので、カットはせずそのまま使用しています。

店主談
「パドック」を調べてみましたら、アフリカ原産で東南アジアの「カリン」と同じ仲間と判りました。
国産のカリンとは違い、大きくなります。 とても硬く剛性が高く加工はやりにくい方に入ります。
大型の素材はかなり高価と思います。 我々が入手できるのはこのサイズくらいまででしょうね。

ちなみに 私も持っています。 息子がこれで「お箸」を作り、爺ちゃんにプレゼントして、今も愛用しています。

 

 

 

7.3 電源コンデンサを追加しました  2010.01

普通の状態でも、音色には差し支えないのです。 

あるHPで「周波数特性」はなんら問題ないのに、「低音」が出ないので電源のコンデンサを大きくしたら、「低音」が出るようになった。
これは、聞き逃せません。 やってみました。 

ニチコンの220μ/400Vを2個 出力トランスの+Bと基板のGNDに入れました。 現行は100μが1個ですから、ざっと540μとなり5倍になりました。

結果は 確かに「中低音」の厚みが出ます。 当家のFE103バスレフでもすごく出ます。 このSPがこんなに出るとはと・・・・
再度 ポートのチューニングをしなくてはなりません。⇒「密閉」でも・・・・

本来、差動アンプは、A級差動のため、リップルの影響が受けにくく、かなり小さめの平滑回路でも特性は出ますし、ハムは出ません。

そのため、キットでも100μと小さいです。 しかし スピーカーに電力を供給するため、溜めて置くところがいるんでしょうね。

 

【注意】 九州の大山様より C24に並列に追加したところ 整流後のC23がシューと云う音とともにパンクしたとの連絡がありました。
高リップル出力電流がによる、容量抜けかと思われます。 
C23はハムが問題なければ、C24で代用できますので、追加コンデンサの時は外すようにしてください。
 
大山さんの場合はC24=220μに変更されたようです。 結果はやはり「中低域」に厚みが出てきました。

 

7.4「大山さん の 8B8」  8B8差動アンプの製作 2010.02

>
> シャーシはジャンク品を塗なおして流用しました
>
> OUTはハモンド1608で10Wタイプです
> 電源トランスは春日の新発売ものです
> 8B8は国産(メーカー名なし)
> プリはラックスキットA-3032
> CDはマランツCD-72
> SPはゲンコツとアルティック408−9E
>
> 3Wでも十分です
> ノイズもありません。3Wなのでプリを10時くらいまで
> あげる必要がありますが、6畳間で聞くには十分です。
>
> 昔作ったエレキットの6BM8シングルとはずいぶん違う イメージでPPの力強さがあります。
>
> PCM放送で深夜JAZZ を聞くのにちょうどよいです。
>

(店主談)

大山さんのアンプは格好いいと思いました。 薄型のシャーシにピタリと合ってますね。
右側の茶色の電解コンデンサが、追加した物です、結果は良好と伺ってます。
ただし 基板に着けるところが無く、タイバンドで結わえてあるとのことです。

ここで 14GW8の話が出まして、「14GW8は6BM8の代わりになるか?」と試しました。
結果は良好で、今、耳は二つしかないのに、アンプは二つあり、どっちも気にいっていて解脱できない店主です。

 

 

7.2 「戸田さん」 2009.09

【追伸 2010.01】 このてんまつは(http://amemoyou.blog.ocn.ne.jp/web/2009/10/post_1067.html)に続く

 

 

メールありがとうございました。
はなゆうさんに この回路、この基板で、ほんとにすばらしい音質のアンプを作る機会をいただいたことに感謝します。
 正直言って、それほど期待していた訳ではなかったのですが、聞いてびっくりでした。

外形300mmに300mmの基板を入れるにはシャーシ左右にスリットを切り外形的には面いちとし、意味ありげな、穴あきカバーをつけました。
電源電圧も高めに設定したのですが音量的にも不足感はなく、少し低めにセットしました。
電解コンデンサも別置きにしたのですが、あまりきれいではない仕上がりとなりました。

 今にして思えば、半固定抵抗など調整部は基板裏側に取り付け、TP端子を裏側につけたりと、やることは多々あったとは思うところです。
トランスなどふるぼけていて、レトロな風合いになりました。電源トランス、シャーシの塗装も下手でついでにレトロ風になりました。
インピーダンス無理やりマッチングですが、サンスイのトランスが再使用できてとても嬉しく、ちょっとうっとり眺めました。
はなゆうさんの基板を使った、様々なアンプを見てみたい気がします。

(店主より)

戸田様
中の写真見ました。
てっきり、基板を削られているかと思いましたが、シャーシを加工されたのです
ね。 最初の写真のシャーシの横の出っ張りの意味が判りました。

DCバランスは 一度合わせれば、それほどずれる物ではありません。 私も組
んで一回合わせたきりです。
基板を付けた状態で、裏からでも電流は計れますが、抵抗とVRだけ裏から付け
治せばもっとやりやすいです。

この アンプの音ですが、たしかにいい音します。とくに戸田さんの場合は出力
トランスも良い物を使われているので、なおさらだと思います。
私の場合は「東栄」の名も無き物ですので、うらやましい限りです。

SPも口径が大きく、低音も出るし、能率の高いので、低出力を補っていると思
います。
ちなみに 当作業場(15坪)では フォスターの10cm(90db)以上が
必要になります。 アルテックの20cm(97db)は楽勝に鳴ります。

音の良さ、基本設計の功は「ぺるけさん」のセンスによります。
私は「記事を読み、信じ込み、やってみた」で具現化したにすぎません。
差動アンプは、知っている方はいますが、作った方は少ないのが実感です。

戸田さんの、今回の写真は「製作例」に使わせていただきます。
ありがとうございました。

 


 

7.1 「清さん」 2008.04

今週アンプが完成しました。月並みな形に仕上がりました。
トランス仕様の違いよりブリッジ→ダイオード2本に変更した
のと、コンデンサーを別付けにしたところ以外は元仕様のまま
です。基盤表では邪魔なものは裏につけてあります。
OPトランスは最近発売になった東栄OPT-10Pのカバーつきのも
のです。
連休前にはシングル用トランスもカバー付が出るとのことです

真空管はEHを使用しましたが、DCバランスがなかなか安定し
なくて困りました。2日間くらい使用続けてようやく安定しま
した。最初は悲惨な音がしましたがだんだんよい音になってき
ました。ハム音などは最初から一切せずに非常に静かなアンプ
です。
贅沢な要望ですが、電解コンデンサーの取り付け穴をスルーホ
ールにして欲しいと思いました。多分私と同じ作り方をする方
もいると思いますので。
良い基板をありがとうございました。 (15 Apr 2008)

(店主より)
完成おめでとうございます。
しっかりと、落ちついたスタイルにできあがってますね。
基板むき出しの先入観しか無かったので、ケースに入れたときのことは想定して
ませんでしたが、本来はこうあるべしだったのです。 自分の度量の狭さを感じ
ました。

スルーホールの件は機会がありしだいに変更しましょう。
ホールφの拡大も同様です。

真空管は1週間もすれば安定します。他のお客さんのケースですが、「8B8」
を直列で使われているそうです。「16A8」とヒーターが兼用になりますので、
安く、色々なメーカーの物が探せるようです。 (17 Apr 2008)

 

細かい点ですが、ジャンパー線の代わりに0オーム抵抗を使用
しております。(たまたま手持ちがあった為です)

シャーシはノグチトランスのトランス穴加工済みシャーシS-170
を使用しました。横幅が350なので基板がうまく入りました。

「8B8」の件ですが、私も安価な物を見つけて(@500 バン
テック エレクトロニクス インターネットで購入できます http://www.soundparts.jp/index.htm
)購入しました。当初使用するつもりでいたのですが、ヒータ
トランスの容量を間違えて(2Aタイプを買ってしまいました。8B8
は予想外に大食いでした)使用できませんでした。次回超3で
も作るときに使用します。

真空管も安定してきましたので、連休中にアンプ特性測定を試
みます。                  (Mon, 21 Apr 2008 )

 

(店主より)

「貴重な体験談 ありがとうございました」

以上

 

 

長々とご静聴ありがとうございました