エレキット TU−870用のサイドウッドパネルを作った。

TU−870(3結改造品)は 音も快適、小型で、作りが合理的なのも好きだけど、金属とガラスで出来ているというイメージが強く、せっかくの暖かい「真空管アンプ」なのにデザインでは暖かみが無い。
「真空管カバー」も作ったが、それはそれで役にはたっているが、デザインでは今ひとつだ。 
そのため、いつか作ってあげようと思っていた、「サイドウッドパネル」を作ってみました。 材料は無垢の天然材を使いたい、そして、本来の「天然木」の持ち味、木目を活かすため、塗装は「オイルフィニッシュ」としました。

出来た物を装着してみますと、ご覧のとおりオリジナルが細身ですが、板の分だけ幅広になります。 これで安定感が出てきます。
金属のボディに、木板が付加されることで、幅広になったことにくわえ、「暖かみ」「優しさ」がかもされます。
マランツみたいに「音が良くなる」などと、訳のわからんことは云いたくないですが。

この機種は組み立てた状態の素のままですと、「淡泊な音」です。 しかし3極管結合への改造により、小出力ながらどっしりと落ちついた音に変わっていまして、もっかお気に入りのアンプになっています。
今回のドレスアップで手の上に載るような小型なくせに高音質な、本機に暖かみと落ち着きが出て、お気に入りの一品となり、 当店でも出番が多くなりました。

注) 870Rは取り付けに使う放熱孔が開いてません、穴加工が必要です。

上:ウッドパネル取り付け後

取り付け前の870とウッドパネル(ナラ材)

 

 まずは

1.手元にあるTU−870から始める。 879もやってみたいが、実機がないので次のチャンスを待つことにする。

2.取り付けが簡単にするため、本体の追加工はおこなわず、今開いているシャーシの通風孔を利用してネジ止めとする。

3.しかし、せっかく開いている通風孔を塞がないように、ウッドパネルの内側を削る。(これがやっかいだった)

4.パネル材の材料は いろいろな物でとりあえずやってみて、様子を見る。

そして このようになった。

   

 

【上左】 「取り付け前」のパネルと TU−870 パネルが4枚あるが、材料が違う、下のパネルが「アガチス」、上に乗っかっている木目がはっきりしているのが「ナラ(楢)」です。 取り付けネジ穴と「通風孔」を塞がないように加工した部分が見えます。

【上中】 取り付け前の実機、と 【上右】の「ナラ」を片方だけ取り付けた実機 どうです、ぐっと落ちつくでしょう。

   

【上左】 「クルミ」の板を2枚とも取り付けた状態  【上右】 底側から見た光景

凝り性なため、いろいろな材料で試してみた。

上: 「クリ(栗)」 木目がはっきりとしていて、良い感じになった

上 「クルミ(胡桃)」  明るくて、木目も綺麗で、これも良い。

 

やってみた材料の紹介

1.アガチス 南洋材です。 色は明るくて薄くて、木目が綺麗です。 柔らかいため「内装材」に使われていますが、これで作った小型のSP箱はとてもチャーミングでお気に入り。
  比較的、柔らかいので加工はしやすいのですが、傷が付きやすいので 気を使う材です。 金属で言うと「サクサク削れるアルミ⇒ジュラルミン」

2.ナラ(楢) 国産は「ナラ」、輸入品は「オーク」と呼ばれています。
 (木材は産地の名前で呼ばれます。そのため「オーク」と云われると、輸入のナラ材の事をいいます)
 広葉樹で色は明るく、木目がくっきりとしています、どくとくの「虎斑(とらふ)(虎の縞模様)」という模様があります。
 とても、重く、硬いので加工は困難です。 良く知られているのが「ウイスキーの蒸留樽」です。 パイオニアがサントリーとの協力でSP箱を作りました、あれです。  やっかいなんだけど、この材料も好きなんだ。

3.クルミ(胡桃) 明るく緻密 硬いがナラより加工は楽、 「銃床」に使われます ですから 綺麗ですよ

4.クリ(栗) やや暗いが、木目ははっきりして落ちついた感じがあります。 鉄道の枕木、銃床などに使われていました。加工性は「胡桃並」

5.サクラ(桜) まだ、作ってないが あの重さは 手強そう

6.ローズウッド 褐色、年輪はわかりにくい。とても重い。 表面はつるつるして、光沢があり「塗装」の必要は無いというか、塗装するような所には使わない。
 とても硬い、真鍮みたいな感じでポリポリ削れる。 おかげで作業場は真っ黒の粉塵に覆われ、お掃除が大変なので、加工したくない材料です。
 ワシントン条約の規制品のため、国内の手持ちが無くなったら終了です。

調べてみますと、楽器のギターの世界では、これはとても重要な素材なのですね。
(http://www2s.biglobe.ne.jp/~somemura/bbs1/225198782821284.html)
ブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)神話 (http://www1.kcn.ne.jp/~sug/guitar/wood/rosewood.html)

 

やってみたが どれもこれも みんな 可愛いと思った。 それぞれ 特徴があり 一つずつ 違っているが、各々の味わいがあります。 そして、一つとして同じ物が作れない。 これが「天然材」です。

手の空いているときに、こつこつと工作するため、「作業台」を作り、「彫刻刀」で削り込むつもりだったが・・・・
これが、そんな甘い相手ではないことが判り、あっさり降参しました。
加工できるのは「アガチス」くらいでしょうか、他の材料は硬すぎてとてもとても、ははは
トリマーで削っているときも辛かったわけです。 

販売もします。

1.材は「アガチス」「ナラ」「クルミ」「栗」の4種から選べます。 
2.取り付けネジ付きで 4,000円 送料はEXパックで500円、「定形外」で390円です。
3.お支払は「郵貯銀行」「新生銀行」です。
4.himawari@hanayuu.comまでご一報ください。